人生二毛作のススメ 〜新入社員(古め)のブログ〜

日々の学びと気づきを綴っています

バス停のふたり


毎朝通るバス停には、白い杖をついた視覚障害のある女性がいる。彼女はいつも、区間開発工事の警備員さんの腕につかまり、バスを待つ列の先頭で、警備員さんと笑顔で何か楽しそうに話している。

2人の笑顔はおだやかで、いそぎ足で横を通り過ぎる私のことも、幸せな気持ちにしてくれる。


警備員さんは、女性を無事バスに乗せると、自分の持ち場に戻るのだろうな。

女性は警備員さんの声を聞き、腕の感触を日々感じ、どんな容姿の男性かと想像することはあるのだろうか。

その日の仕事を終えて帰宅した警備員さんは、奥様と晩酌しながら、女性と笑顔で話した内容を報告したりするのだろうか。独り身で、仕事中のことなど思い出さないのだろうか。それとも毎朝の女性との会話を楽しみにしているのだろうか。

もし、どちらかが具合を悪くしたりしてバス停にあらわれなかったら、その日をどんな気持ちで過ごすのだろう。

 

人間同士のドラマは、其処此処で生まれている。笑顔が笑顔であり続けることが奇跡に近くても、生まれていることそのものだけでいい。